【個別セッションレポート】こどもと目が合いにくい!?


個別セッションレポート

2021年5月27日

こんにちは。

横浜市都筑区にある、かかりつけ療法士によるこども支援室ここんを開設しています、作業療法士の定金雅子です。

今日は、なんと埼玉県から車で2時間かけて個別セッションに来てくださいました。

パパはお仕事をお休みしてきてくださり、お会いした時からご家族の温かな雰囲気が支援室の中に広がって行きました。

今日のご相談は1歳10ヶ月で、「目が合いづらい」、「呼びかけに反応しないことが多い」とのことでした。

支援室の中では自分の好きなおもちゃを見つけて早速遊び出してくれました。
大好きだった遊びはくるくるチャイム!
くるくるチャイムはくもんのおもちゃで本当にこどもたちに大人気です。

くもん/くるくるチャイム

くるくるチャイムのカラーボールを使ってのやりとり遊び。
まずは彼が興味を持っている遊びを共有するところから始まりました。
私がそばに近づいても嫌がっていないな、ということが確認できたら、
私が「赤いボールがコロコロコロ〜」など声をかけると私の方を見るようになりました。

「赤いボールちょうだい」
「黄色いボールどうぞ」

そんな声かけをしてみます。
始めは警戒心いっぱい。
でもここが肝心なところで、焦りは禁物です。
彼にアクションを求めるのではなくて、彼がやっていることにそっと寄り添う。

もしボールをくれなかったら、
「赤いボールがコロコロコロ〜」
「まこさんもやってみようっと!」
と言って、私も楽しそうにやってみる。
彼の視野の中に入り、笑顔を見せながら
「はいどうぞ」とボールを渡すと、ちょうだいと言いたげに私を見ることが増えていきました。
そして徐々に彼もボールを渡してくれるように。

くるくるチャイムを介して、私と彼の間に少しだけ世界が共有できると、私がやるのを待ってくれるようになりました。
他者への存在に気付いた証拠ですね。

ポイントは、こどもの視野の先に興味のある物と大人の顔が一緒にあること。

こどもの視野の中に入り、こちらの顔や声や眼差しを入れていくのです。
そこで少しずつアイコンタクトをとっていきます。
こちらの眼差しを受け入れてくれるかどうかは、防衛反応が落ち着いてくるのを待つ必要があったり、どれだけこどもの世界に大人が興味を持つかです。

こどもは自分が好きな物には必ず興味を示すので、それと楽しそうに遊ぶ人にも興味を持つようになります。

1人の世界よりも誰かとその世界を共有することが楽しい!と思ってもらえるように、その子の遊びに寄り添い、まずはその子の真似っこをしてみましょう。
手を叩いて喜んだら同じようにパチパチして喜んだり、両手をバンザイさせて喜べば同じようにバンザイする。
そんな風に真似っこ遊びに興味を示してくれると、大人がやることを見て真似るようになっていきます。

人とのやりとりが楽しいな、と思う共有体験を積んでいくことで徐々に人に関心を持ち、他の人を真似て遊ぶなどがみられると良いですね。

おすすめの遊びは、まずはその子がどんな遊びが好きなのかをしっかり観察することです。

例えば、道路の小石をつまんでばかりいるのなら、ぽっとん落としのような遊びで大人と交互に行う。
ミニカーのタイヤがコロコロ動くのが好きでずっと見ているようなら、こどもの視野の中に入って風車を吹いて見せる。水を触ったり水面を見るのが好きだったらシャボン玉で遊ぶ。

など、人とのやり取り遊びを通して「楽しいね!」の瞬間に目が合うなどから人に関心が生まれ、「楽しいことを人と共有するのが心地よい」ということを体験することの積み重ねにつながります。

声かけだけではなかなか目が合いづらいのもまた真実。
そんな場合、まずはしっかりとこどもの視野に入って大人の反応を見せるようにしてみましょうね。

ママが「今日のセッションを受けてモヤモヤがなくなった気がします。取り入れたい遊びなどアイディアが沢山でした。」

とおっしゃって下さいました。
具体的な関わり方が分かると明日から大人の関わりが変わりますね。

本日は遠いところからお越しくださり、本当にありがとうございました!



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